モバイルバッテリーの処分方法【飛行機持ち込み新ルールとは?】

スマートフォンが生活に欠かせない今、モバイルバッテリーは多くの人にとって必須アイテムです。しかし、その便利さの裏には、火災などの重大なリスクが潜んでいます。最近、その危険性が改めて注目され、飛行機での扱いやごみの捨て方に関するルールが大きく変わろうとしています。

今モバイルバッテリーが問題になっています。私たちの生活にリチウムイオン電池処分はどう影響するのでしょうか?

目次

1. なぜ危険?相次ぐ発火事故が示すモバイルバッテリーのリスク

モバイルバッテリーの心臓部には「リチウムイオン電池」が使われています。リチウムイオン電池は、エネルギーをたくさん蓄えられる反面、衝撃や圧力、品質問題によって発火しやすい性質があります。

実際に、国内外でモバイルバッテリーが原因とみられる火災事故が多発

  • 飛行機での発火事故: 韓国や香港の空港では、乗客の荷物棚に置かれたモバイルバッテリーが突然発火し、機内に煙が充満する事故が発生しました。狭い空間での火災は非常に危険で、初期消火が遅れると大惨事になります。
  • ごみ処理施設での火災: 日本では、2018年度からの4年間で、ごみ処理施設での発火事故による被害額が約111億円に上っています。家庭から出された「不燃ごみ」にモバイルバッテリーが混入し、ごみ収集車や処理施設の機械の中で圧縮された際に出火するケースが後を絶ちません。施設のコンベヤーが焼失するなど、被害は甚大。

モバイルバッテリーの扱い方を間違えれば、誰の身にも起こりうる問題です。

そもそも、なぜリチウムイオン電池は発火するの?

「なぜこの小さな箱がそんなに危険なのか?」と疑問に思うかも知れません。
ですがリチウムイオン電池が発火する原因は内部構造にあります。電池内部は、プラスとマイナスの電極が「セパレーター」という薄い膜で仕切られています。しかし、強い衝撃が加わったり、粗悪な製品で内部に異物が混入したりすると、この膜が破損してショート(短絡)が起こります。ショートすると、電池内部で急激に化学反応が進み、高温のガスが発生。これが内部の圧力に耐えきれなくなると、発火や破裂に至るのです。特に、気圧や温度の変化が激しい飛行機の機内では、危険性が高まります。

2. 【ルール変更】飛行機への持ち込み方が変わる!

相次ぐ機内での発火事故を受け、日本の主要航空会社はモバイルバッテリーの機内持ち込みに関するルールを厳格化しました。

機内持ち込みの変更点のポイント:

  • これまでのルール: 預け入れ荷物に入れるのは禁止。機内持ち込みは可能。
  • 新しいルール: 預け入れ禁止に加え、機内持ち込み時も「荷物棚に入れること」が禁止されました。

これからは、座席ポケットや自分の膝の上など、常に目の届く場所で管理する必要があります。
万が一バッテリーが発熱したり、煙が出たりといった異常にいち早く気づき、すぐに対応できるようにするためです。

全日本空輸(ANA)では、バッテリーが発火した際に、それを速やかに密閉できる「耐火袋」を全機材に搭載し、袋内部の消火フィルムが熱で溶けて消火剤を放出し、延焼を防ぐ仕組みになっています。

万が一、機内で発火してしまった場合に、乗客からそのバッテリーを受け取り、客室乗務員が安全に処置するために使用するものです。

中国の航空会社ではもっと厳しい規制が始まった

  • 中国国内線の新ルール: 中国政府が定めた安全認証「3Cマーク」がないモバイルバッテリーは、国内線の飛行機に持ち込むことが一切できなくなりました。
  • 旅行者の注意点: 日本から中国へ行き、現地の国内線に乗り継ぐ場合、3Cマークのないモバイルバッテリーは没収される可能性があります。旅行前に必ず自分のバッテリーを確認しましょう。

最も重要なのは乗客一人ひとりの意識です。

3. 「リチウムイオン電池の捨て方が分からない」が火事原因?ごみ問題の現実

使い終わったモバイルバッテリー、どう捨てればいいの?」と迷ったことはありませんか?

実は、この「捨て方が分からない」問題が、ごみ処理施設での火災原因なのです。

  • 混乱する回収ルール: モバイルバッテリーはリサイクルが義務付けられていますが、回収方法は自治体によってバラバラです。「家電量販店の回収ボックスへ」「有料の専用袋で出す」「メーカーに問い合わせて」など、対応が統一されておらず、多くの人が処分に困っています。
  • 知らずに混ぜてしまう危険: 充電式の小型扇風機など、リチウムイオン電池が内蔵されていると気づかずに、一般のごみとして捨ててしまうことがあります。これがごみ収集車や処理工場での火災に直結します。

この問題を解決するためには、以下のような社会全体の取り組みが必要です。

  1. 回収拠点の拡充: コンビニなど、もっと身近な場所で手軽に回収できる仕組みを作る。
  2. 出口の設計: アメリカの一部では、製品購入時に返送用の封筒がついてくる例も。製造段階から捨てるまでの流れを考える。
  3. ルールの単純化と周知: 「充電式製品はリサイクルへ」という簡単なルールを社会全体で共有し、危険性を広く知らせる。

【実践編】千葉県での正しい捨て方|自治体のルールを確認しよう

では、具体的に千葉県ではどのように捨てればよいのでしょうか。絶対に守るべき大原則は、「可燃ごみ・不燃ごみに混ぜない」ことです。自治体ごとにルールが異なりますので、お住まいの地域の指示に従ってください。

基本的な捨て方の流れ

  1. 回収ボックスを探す: まずは、お住まいの市町村の施設や、家電量販店などに設置されている「小型充電式電池回収BOX」を探すのが基本です。
  2. 絶縁処理をする: バッテリー単体を捨てる場合は、ショートを防ぐため、電極の金属部分(+極と-極)にセロハンテープやビニールテープを貼って絶縁してください。
  3. 分別方法を確認する: 自治体によっては「有害ごみ」や「危険ごみ」として、特定のごみの日に出すルールになっています。
    • 電池が製品から外せない場合: モバイルバッテリーや充電式扇風機のように一体化しているものは、「小型家電」として回収ボックスに入れるか、「有害ごみ」として出すケースが多いです。
    • 膨張・破損している場合: 膨らんだり、液漏れしたりしている危険なバッテリーは、回収ボックスに入れず、必ずお住まいの市町村の担当窓口(清掃事務所など)に直接相談してください。

千葉県内の自治体別ルールの一例

自治体捨て方の例
千葉市市の施設や協力店の回収BOXで回収。
柏市「有害ごみ」または「危険・有害物」として指定日に出す。
市川市絶縁処理をして「小型充電式電池類」として分別するか、回収BOXへ。
松戸市「有害ごみ袋」に入れるか、透明な袋に「有害ごみ」と書いて出す。
流山市電池が外せない製品は「有害危険ごみ」、外せる電池は回収BOXへ。

※上記はあくまで一例です。必ずご自身の自治体の最新情報を確認してください。

より詳しい情報や、お近くの回収協力店を探すには、千葉県の公式ウェブサイトが参考になります。

4. リチウムイオン電池|安全な使い方と処分の方法

モバイルバッテリーによる事故を防ぐために、覚えると良いことと実践できることをまとめました。

安全な使い方(特に飛行機内では徹底)

  • 常に目の届く場所に: バッグの奥に入れっぱなしにせず、異常(熱、異臭、膨らみ)がないか時々チェックする。
  • 充電中は周りに注意: 充電しながら使う際は、ケースやカバンから出して通気性を確保する。
  • 出発前に状態を確認: 旅行前には、バッテリーが膨らんだり、破損したりしていないか必ず確認する。
  • 異常を感じたらすぐに知らせる: 機内で「熱い」「変な匂いがする」と感じたら、ためらわずに客室乗務員に伝えましょう。

正しい捨て方

  • 絶対に普通ごみに混ぜない: 「不燃ごみ」や「可燃ごみ」には絶対に入れないでください。
  • 自治体のルールを確認: お住まいの市区町村のホームページなどで、正しい処分方法を確認しましょう。「小型家電リサイクル」や「有害ごみ」などの分別が必要な場合が多いです。
  • 家電量販店の回収ボックスを利用: 多くの家電量販店には、モバイルバッテリー専用の回収ボックスが設置されています。

モバイルバッテリーは、私たちの生活を豊かにしてくれる便利な道具。しかし、その裏側にあるリスクを正しく理解し、ルールを守って使うことが、自分自身と周りの人々の安全を守ることに繋がります。この機会に、ぜひご自身の使い方や処分方法を見直してみてください。

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