【セブン銀行】ファミマ全店に導入!?

セブン銀行ATMが全国のファミリーマート全店に導入されると聞いて、「どういうこと?」と思いますよね。
その裏側には、伊藤忠商事との資本業務提携という動きも同時進行しています。今回はATM拡大の狙いと、資本提携を解説。


目次

セブン株価急変を引き起こした“二大発表”

9月26日の取引が終わったあと、セブン銀行(証券コード8410)に関して大きなニュースが2つ同時に発表された。

ひとつは 伊藤忠商事と資本業務提携を結ぶこと
もうひとつは 全国のファミリーマート全店舗にATMを設置する計画 である。

この2つの発表が同じタイミングで出たことで、投資家たちは「セブン銀行はただのATM運営会社にとどまらず、もっと成長を目指している」と感じた。その結果、取引時間外の株式売買(PTS)でセブン銀行の株が一気に買われ、株価が急上昇。



【セブン銀行】伊藤忠との資本業務提携と狙い

伊藤忠商事は、セブン銀行が持っていた「自分の会社の株(自己株式)」を買い取り、会社の意思決定に関わる権利(議決権)を約16%持つことになります。買う株の値段は1株268円で、合計でおよそ514億円。

さらに今後、株を追加で買い足し、最終的に20%まで持ち株比率を増やす可能性があり、その場合はセブン銀行を「仲間の会社(持分法適用会社)」として扱うようになります。これは単なる投資ではなく、伊藤忠がセブン銀行の経営に深く関わるための動きです。

株の買い方もポイントです。
今回はセブン銀行が新しく株を作る(新株発行)わけではなく、自分で持っていた株を伊藤忠に売る方法。これだと、ほかの株主の権利が薄まる(ダイリューション)心配がなくなります。ただし、帳簿上は「自己株式」が減るため、1株あたりの利益(EPS)に多少の影響が出ることもあります。

資本や経営のつながりを強め、両社が一緒に取り組める事業の可能性を広げ、今後の成長につなげる狙い。


ファミマへのATM導入拡大の効果

次に、ATM設置戦略の全貌を把握する。セブン銀行は既に国内で2万8,000台超のATMネットワークを保有、
今回の発表では、ファミリーマート全国約1万6,300店に順次セブン銀行ATMを設置するという構想が明らかになった。

この構想が完全実現すれば、
設置台数ベースで 合計で4万4,000台を超える規模 に膨れ上がる可能性があり、
国内最大級のATMネットワーク体制が誕生するかもしれないと報じられている。

セブン銀行の今回のATM拡大メリットは、「利便性の飛躍的向上」と「ネットワーク効果の強化」である。
これまでセブン銀行ATMへのアクセスが限定的だった地域や顧客層も使えるようになり、ATMネットワークそのものの価値が更に高まりそうだ。

さらに、ATMを単なる現金の入出金装置から「金融・非金融サービスのプラットフォーム化」へ進化させる可能性も注目されている。ファミリーマートという生活現場に近い拠点を使って、決済チャージ、ローン申込、ポイント連携、決済アプリとの統合など、多様な機能を付与する展開が構想される。

つまり、ATM台数拡大は単なる物理インフラ強化ではなく、 次世代金融インフラ構築の布石 になっている。


セブン銀行への期待と業績のギャップ

今回の発表が注目されたのは、セブン銀行の今期の業績見通しがあまり良くなかったことと対比されたから。

セブン銀行は2025年3月期に過去最高の売上を出して順調に見えたが、翌年度の2026年3月期については利益が減る予想を出していた。セブン銀行は本業での利益(経常利益)が前の年より約19%少なくなり、最終的に残る利益(当期純利益)も約12%少なくなる見通しだった。

この予想の背景には、キャッシュレス決済が広がってATM利用が増えにくくなっていること、海外事業で一時的に費用が膨らんだことがある。

ところが、今回の伊藤忠との提携やファミリーマート全店へのATM展開といった新しい計画は、この弱い業績予想には含まれていなかった。そのため投資家は「今の見通しよりも成長の可能性が大きい」と考え、取引時間外の売買(PTS)でセブン銀行の株を一斉に買った。結果として株価が急騰。

計画を進めるうえで考えられる課題

セブン銀行が発表した「ファミリーマート全店へのATM設置」と「伊藤忠との提携による新しいサービス展開」
大きな期待を集めたが、実現にはまだ課題(リスク)がある。主なものは次の通り、

  • 設置作業の遅れや費用の増加
    全国で約1万6,300店にATMを置くのは非常に大きなプロジェクトである。機械を運ぶ物流、店舗での設置工事、システムのつなぎこみなどで、予定より遅れたり追加費用がかかったりする可能性がある。
  • 現金を使う人の減少
    キャッシュレス決済が広がると、そもそもATMでお金を出し入れする人が減る可能性がある。もし利用者が想定より早く減ってしまえば、ATMから得られる収益も下がってしまう。
  • 競争やルールの変化
    セブン銀行以外にもコンビニにATMを設置している会社や銀行はある。競争が激しくなると手数料を下げざるを得なくなり、収益が圧迫されるかもしれない。また、金融庁などがATMの手数料制度に新しい規制を設けると、事業に影響が出る可能性もある。
  • 提携の効果を形にできるか
    伊藤忠やファミリーマートとの提携で新しいサービスを打ち出す構想はあるが、それが実際に収益につながるかどうかは未知数である。利用者が本当に便利だと感じ、サービスを使ってくれるかどうかが成否を分ける。

セブン銀行ATMが「生活インフラ」になる可能性

今回のセブン銀行の動き、単にATMの台数が増えるという話にとどまらない。

銀行サービスが日常的に使うコンビニという場所に入り込み、私たちがお金のやり取りや金融サービスに向き合う感覚そのものが大きく変わる可能性がある。ファミペイのような電子決済と連携、ATMを通じたローンの申し込みや契約、ポイントやクレジットカードとのつながりなど、ATMが「生活の中心にあるサービスの入り口」として機能する未来が想定される。

こうした未来を実現するには、設置作業を計画どおりに進めること、現金を使う人の減少に対応すること、競合との競争や規制の変化に負けないこと、提携を確実に収益につなげることなど、すべて課題をクリアする必要がある。

投資家たちはこの計画がセブン銀行の成長につながると見ており、2026年春から始まる設置やATMの利用件数の増加、新サービスがどのくらい効果を出すかが注目されている。

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