Qi(チー)充電機は、スマホをケーブルに接続することなく充電できる「ワイヤレス充電器」の国際規格。充電器内部の送電コイルから発生する電磁誘導を、スマホ内部の受電コイルが受け取り電力に変換する仕組みです。ケーブルの抜き差しが不要で利便性が高く、近年ではiPhoneや多くのAndroid機種にも採用された。
充電の発熱が欠点だったQi充電
便利なQi充電ですが、欠点として「発熱しやすい問題」がある。

電磁誘導による電力伝達は有線給電よりも効率が低く、充電器とスマホの両方が発熱しやすいのが特徴。
特にカー用品分野で利用する場面では、夏場の車内温度上昇、長時間のあいだ直射日光に当てられる位置に置かれる事も相まって、深刻な発熱トラブルが発生することも。
バッテリーの劣化や充電速度低下につながるため、冷却技術が求められてきました。
| Qi世代(Ver.) | 登場時期/代表例 | 最大出力 | 欠点・課題 | 当時の対応スマホ | 当時の充電器相場(2025) |
|---|---|---|---|---|---|
| Qi(1.0/1.1) | 2011年「AQUOS PHONE f SH-13C」 | 5W | 位置ズレで効率大幅低下、遅い | AQUOS PHONE、Galaxy S6 | 2000〜5000円 |
| Qi(1.2/1.3/1.5) | 2015年〜 スマホ普及加速 | 7.5〜15W | 発熱・位置ズレ時効率低下 | iPhone 8〜14、Galaxy S8〜S24、Xperia Ⅳなど | 2500〜8000円 |
| Qi2 | 2023年発表、iPhone 15などから本格化 | 15W | 強いマグネットで位置ズレ減・発熱低減も、コストや厚いケース利用は課題 | iPhone 15〜(iOS17.2で13/14も)、2024年以降Pixel/Galaxy/Xperia | 3500〜1.2万円 |
| Qi2.2(25W) | 2025年7月登場 Pixel10 Pro XL等 | 25W | 高温対策・高価・機種側の制限あり | Pixel10 Pro XL、今後iPhone/各社フラグシップ | 8000〜2.0万円 |
冷却機構付きQi充電器登場!
発熱の課題を解決するため、冷却ファン内蔵のモデルや、より積極的に冷却を行う「ペルチェ素子」と「冷却ファン」を搭載したQi充電器が登場しました。ペルチェ素子は電流を流すと片側が冷え、反対側が熱を持つ性質を利用した電子部品で、小型クーラーやCPUクーラーにも応用されています。これをQi充電器に組み込むことで、充電中のスマホを効率的に冷やす方法になりそうだ。

MagSafeやQi2に対応した最新モデル
市販されているワイヤレス充電モデルの中には、MagSafeやQi2に対応し、スマホを固定しながら冷却と充電を同時に行えるタイプも登場しています。車内の密閉された空間に長時間置かれる可能性の高いカー用品ならではの機能で、
ワイヤレス充電の利便性を維持しながら、発熱からくる熱損傷をおさえる工夫がなされた。
ペルチェ素子の冷却と結露リスク対策
ペルチェ素子を利用したワイヤレス充電器は、強力に冷却できる反面、
制御が不十分な製品だと必要以上に冷やしてしまい、内部結露や故障リスクにつながる懸念も。

| 利点/欠点 | 内容 |
|---|---|
| 利点① | 充電中の発熱を抑制し、スマホやバッテリーの劣化を軽減できる |
| 利点② | 冷却しながら高出力(15W以上)のワイヤレス充電を安定して供給が可能になる |
| 利点③ | 温度上昇を抑えることで、ケース装着時や高温環境でも充電が中断されにくい |
| 欠点① | ペルチェ素子自体の発熱を逃がすための放熱機構(ヒートシンク・ファン)が必要で、本体が大型化する |
| 欠点② | 冷却動作に別電力が必要なため、消費電力が増える |
| 欠点③ | 冷却面が冷えすぎると結露する可能性あり、湿気による電子部品の劣化や誤作動のリスクがある |
特に安価な粗悪品では温度管理機構が搭載されていないことも多く、スマホの寿命を縮めてしまう恐れがあります。
今回の製品は、冷却面温度を10℃程度までに保つことで,
結露が発生しない範囲に冷却温度を制御しています。ペルチェ素子を活かしつつ結露リスクを避けられる点が、この製品ならではの利点です。
Qi充電ホルダーに内蔵された冷却機能の効果は?

高負荷時のスマホ温度を測定した場合、有線給電に比べておよそ数℃低く抑えられた。
わずかな差に見えても、発熱によるスマホ内処理性能の低下(サーマルスロットリング)を防ぎ、長時間使用でのパフォーマンス維持に効果を発揮するケースがあります。ベンチマークスコアも安定して高く保たれる傾向があり、ワイヤレス充電時の冷却機能の有無の差は、決して侮れません。
設計上の工夫
冷却ファンを備えるスマホ充電器は、静かな環境だとファンの回転音が気になることもあります。
ですが、今回使用した充電器は音が静かであり、冷却性能と静音性のバランスを調整した設計といえます。

スマホクーラーと充電器を別々に用意せずに、ケーブル一本で必要な機能を両立できる利便性は魅力的です。
