SNSが選挙に与える影響とは?

選挙では、SNS(例:X、TikTok、Instagramなど)が情報を広く素早く届けられる手段として注目されています。特に若年層にとってはテレビや新聞よりも身近な情報源であり、候補者の人柄や考え方を短時間で掴めるメリットもあります。
しかし、過去の都知事選や兵庫県知事選では、真偽不明な情報や過激な主張が拡散され、選挙結果に大きく影響を与えた事例も報告されています。この番組でも、候補者陣営がSNSを通して写真や動画を使い、積極的に「見せる」発信を行っている様子が映されています。
※たとえば2020年の東京都知事選では、SNS上での「過去の発言切り取り」や「編集された動画」が広く拡散され、一部の候補者に対するイメージ形成に影響を与えたことが指摘されました。
なぜ選挙にSNSの影響が強まっているのか?

選挙においてSNSが注目される理由には以下のような特徴があります。
- 投稿や動画が短時間で何万人にも届く「拡散力」がある
- 候補者本人の言葉や表情を直接見られる「リアルさ」がある
- フォロワーの多いインフルエンサーや著名人の意見が世論に近いと錯覚されやすい
- 若者がニュースよりもSNSのトレンドから情報を得る傾向がある
SNSを通じた情報は便利で素早い反面、正確性の確認や深い理解が後回しにされがちです。この点が、次第に問題視され始めています。
若年層と中高年層のSNS利用の違い

約20代をピークに、ほぼ全世代でSNS利用者は広がっており、全体で8割超の人が使っています。特に10代〜20代前半の若年層では、TikTokやInstagramなど、視覚的に直感で判断しやすいSNSの利用が多い傾向があります。
高校生・大学生など若年層は見た目や雰囲気を重視し、「パッといい感じ」を信じる傾向も。ただし、「全部が正しいわけではない」と自身の判断も働かせると話しています。
一方、30〜50代の中年層は、毎月の税金や保険料の負担に直面する生活者で、SNS上で見た「憎しみを引き起こす」情報が強い投票動機になり得るとも指摘されました。
※若年層は「空気感」や「共感」を重視し、中高年層は「損得」や「怒り」に反応しやすい、というデジタル行動心理の違いが背景にあるとされています。
SNSで本当に正しい情報は見分けられるの?
SNSには便利な面もありますが、必ずしもすべてが正しい情報とは限りません。
- 投稿者が誰か分からない
- 情報の一部が切り取られている
- 意図的に誤解を与える編集がされている
- 「バズらせる」ためだけの過激な言い回し
これらがあることを踏まえて、自分で「これは事実か?」「誰が言ってるのか?」と問いかける意識が重要です。

※たとえばTikTokの短尺動画では、政策の一部だけを抜き出して魅力的に見せる手法も多く、「全体像」を把握するのが難しい場面があります。
感情化する選挙手法の狙い

スマホ時代の政党や候補者が使う手法として、「親しみやすさを感じさせる動画」から始まり、最終的には「憎しみ」や「対立」を煽るような演出へ移行することがあると、専門家は分析しました。
「憎しみ」などの感情が投票行動につながりやすく、特に中年層においてはこの戦略が強い影響を与えるという見方です。
※アメリカ大統領選などでも、相手候補を否定する“ネガティブキャンペーン”がSNS上で効果的に使われた事例が多数あります。日本でもこうした演出が参考にされているといわれます。
よくある疑問:SNSをどう使えば「騙されない」の?

SNSを使う中で「どのようにすれば騙されずに選挙情報を正しく受け取れるのか?」という疑問を抱く人も多いでしょう。以下の視点を心がけましょう。
- 一つの投稿や動画を鵜呑みにせず、必ず複数の情報源を比較する
- 公式アカウントや信頼できるメディアかをチェックする
- 感情を揺さぶられるような投稿こそ、意図を疑う姿勢が大切
- 「なぜこの投稿が今拡散されているのか」を考えるクセをつける
有権者に求められる“見極め力”
SNSには、自分と同じ考えだけを優先表示する仕様や、“審議不明”(真偽が確かでない)情報が含まれていることを、有権者自身が理解しておく必要があります。
情報を目にした際には「誰が発信したのか」「その情報の出どころはどこか」を確認する姿勢が求められます。
村上総務大臣も今回の参院選に向けて、「SNSには様々な情報が流れている。正確かどうかをしっかり判断し、拡散には出所や審議状況を確認することが必要」と呼びかけています。
SNS利用のリスクと向き合う心得

SNSは便利で、自分が知りたいワードを検索すれば情報を得られますが、情報が氾濫している現在、自分で「正確な情報を選び取る」「深掘りする」「考える力をつける」必要がますます高まっています。
単に流れてきたものを鵜呑みにせず、自分の頭で判断し、場合によっては新聞やテレビなど従来メディアも補助的に活用することが重要です。
※たとえばNHKや各新聞社のWebサイトでは、候補者の公約比較や討論動画など、一次情報が整理されています。SNSとあわせて使うことで、よりバランスのとれた判断がしやすくなります。
特に、投稿や動画を見て一時的に「いいな」「嫌だな」と感じるだけでなく、その背後にある政策内容や論理的根拠を自ら確認する習慣が、有権者には求められています。
