iPhoneのチップを使った教育用ノートPC【MacBook Neoの正体】

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教育市場を狙った低価格ノート

Appleが新しく出した「MacBook Neo」は、これまでのMacBookとは少し位置づけが違います。まず目に入るのは価格帯です。かなり手頃な価格のモデルとして作られていて、学校など教育の現場で大量に使われることを強く意識している設計です。

教育用途の機器は、とにかく数が多くなります。つまり壊れたときの対応が重要になります。もし修理しにくい構造だと、壊れた瞬間にそのまま電子廃棄物になりやすいからです。
そのため、このモデルでは「分解しやすさ」や「部品交換のしやすさ」がかなり重要なポイントになります。

外観も少し面白い特徴があります。Appleロゴの色が本体カラーと合わせられていて、デザインとしての統一感が強くなっています。MacBookではあまり見ない仕上げです。

付属品はとてもシンプルです。

  • 20Wの充電アダプター
  • USB-C to USB-Cケーブル
  • ドキュメント

充電自体は30Wまで対応していますが、基本的には軽い作業を想定したノートなので20Wでも十分という設計です。

このモデルの一番の特徴は、内部の構成です。なんとiPhoneと同じチップを使ったMacBookだからです。

iPhoneチップ採用という設計

MacBook Neoには「A18 Pro」というチップが搭載されています。これはiPhoneに使われているプロセッサです。

プロセッサというのは、パソコンの頭脳のような部品です。アプリを動かしたり、計算処理をしたりする中心部分です。

普通のMacBookはMシリーズというMac用チップを使っています。
それに対して、このモデルはiPhone用チップをそのままノートパソコンに使うという、かなり珍しい構成になっています。

ここで重要になるのが消費電力です。A18 Proはスマートフォン向けなので、電力効率がとても高いです。つまり少ない電力で長時間動く設計です。

MacBook Neoのバッテリー容量は 36.5Wh です。
これはMacBook Airよりかなり小さいバッテリーです。

しかしチップの効率が高いため、実際の使用時間は 16時間弱 とかなり長くなります。
バッテリーを大きくしなくても長時間使えるのは、スマートフォン用チップを採用した効果です。

ただし、ひとつ弱点もあります。
このMacBookには 冷却ファンがありません。

そのため負荷が高い処理をすると、どうしても発熱は起きます。
高性能な作業よりも、軽い作業を長時間こなす用途に向いた設計です。

分解構造のシンプルさ

MacBook Neoを分解すると、内部構造はかなり整理されています。

背面カバーは P5ペンタローブネジ で固定されています。
ペンタローブというのは、星型に近い特殊ネジです。MacBookやiPhoneでよく使われています。

ネジを外してカバーを開けると、内部は次のような配置になっています。

  • 上部:ロジックボード(メイン基板)
  • 中央:バッテリー
  • 下部:トラックパッド
  • 左右:スピーカー

構造自体はとても分かりやすい配置です。

面白いのはスピーカーの固定方法です。
スピーカーは 4本のネジだけ で固定されています。

しかも接着剤は使われていません。
ネジを外してコネクタを外すだけで簡単に取り外せます。

Apple製品では接着固定が多いこともありますが、このモデルはかなり素直な構造です。
修理や交換を考えると、この作りは大きなメリットです。

スピーカーの下には ヘッドフォンジャック もあります。
これもモジュール化されていて、簡単に取り外せる構造です。

機械式トラックパッドへの変更

MacBook Neoのトラックパッドは、これまでのMacBookとは大きく違います。

通常のMacBookは「感圧トラックパッド」を使っています。
これは Taptic Engine という振動モーターでクリック感を再現する仕組みです。

つまり実際には押し込んでいません。振動でクリック感を作っています。

ところがMacBook Neoは違います。
物理ボタンのある機械式トラックパッド です。

分解すると金属プレートの下に 実際のボタン機構 が見えます。

この変更にはメリットがあります。

  • 構造が単純
  • 分解が簡単
  • 故障時の交換がしやすい

実際に取り外し作業もかなり簡単です。
数本のネジを外してコネクタを外すだけで取り外せます。

複雑な振動ユニットがないため、修理面ではかなり扱いやすい構造です。

バッテリー交換の容易さ

このMacBookで一番驚くポイントは、バッテリーの構造です。

MacBookではバッテリーが強い接着剤で固定されていることが多く、交換がかなり大変です。
しかしMacBook Neoでは違います。

バッテリーは ネジ固定だけ です。

ネジを外してコネクタを外すと、そのまま持ち上げて取り外せます。
接着剤がありません。

これは修理の視点では非常に大きな改善です。

バッテリー容量は 9573mAh
小さめですが、チップの省電力性能のおかげで十分な稼働時間になります。

ネジの数は多いですが、接着剤がないだけで作業難易度はかなり下がります。
修理する側から見ると、これはかなり好印象な設計です。

モジュール化されたポートとディスプレイ

USB-Cポートもモジュール構造です。
つまり、壊れた場合はポート単体で交換できます。

2つのUSB-Cポートは同じ形に見えますが、性能が違います。

  • USB-C(USB3.0)
  • USB-C(USB2.0)

USB3.0側は 4K 60Hzの外部モニター出力 に対応しています。
もう片方は速度がかなり遅いポートです。

ディスプレイの取り外しも比較的簡単です。
ヒンジのネジを外し、ケーブルを外すだけで分離できます。

画面の仕様は次の通りです。

  • 解像度:約2K
  • 色域:sRGB
  • 最大輝度:500nit
  • リフレッシュレート:60Hz

ただし True Toneは非搭載 です。
これは環境光センサーがないため。

ベゼル(画面の縁)はやや太めですが、ウェブカメラは 1080p です。
ただしCenter StageやDesk Viewはありません。

Touch IDが追加できない理由

最後に少し面白い海外の検証があります。

256GBモデルに Touch IDを後から追加できるのか という確認です。

Touch IDというのは、指紋認証センサーです。
MacBookでは電源ボタンと一体になっています。

512GBモデルにはTouch IDが搭載されています。
そこでロジックボードを入れ替えるテストが行われました。

結果はこうなります。

起動自体は問題ありません。
しかしシステム設定を見ると、新しいメッセージが表示されます。

「バッテリーとディスプレイを設定する必要があります」

これは部品交換を検出しているということです。
Apple純正部品であることは認識されています。

しかしTouch IDは動きません。
電源ボタンとしても機能しません。

理由は単純です。
256GBモデルには Touch ID用コネクタが存在しない からです。

つまりハードウェア自体が省略されています。
さらにソフトウェア側の対応もありません。

そのため、後からTouch IDを追加することはできません。

このMacBook Neoは、
「修理しやすい部分」と「仕様で固定されている部分」がはっきり分かれた設計になっています。

部品交換はかなりやりやすい構造です。
ただし機能のアップグレードは基本できません。

低価格モデルとして、かなり割り切った設計になっているMacBookです。

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