スマホを充電するならワイヤレスが便利？MagSafeとの違いは？

ワイヤレス充電って何が便利なの？

ワイヤレス充電の利点は物理的な接続が無いことです。接続部分が無いので感電や発火のリスクが大幅に減少します。充電ケーブルやコネクタには電気的な接触部分があり、感電や発火の原因になることがあります。ワイヤレス充電では電磁誘導を利用してエネルギーを伝達するため、このようなリスクはありません。

ワイヤレス充電器は埃やハウスダストによる引火のリスクも低減します。充電ケーブルの接続部分は埃が蓄積しやすく、時には引火の原因となります。ワイヤレス充電器には露出した接続部がないため、このようなリスクが低くなります。

さらに、ワイヤレス充電器は湿気や水分による腐食のリスクも低いです。充電ケーブルの接続部は湿気や水分に弱く、腐食することがあります。これにより充電効率が低下したり、故障の原因となることもあります。ワイヤレス充電器は接触部がないため、このような問題が起こりにくいです。

これらの点からワイヤレス充電は安全性と耐久性で有利です。家庭や公共の場での使用に適しています。充電ケーブルの扱いに関する心配が少なく、長期的に見ても信頼性が高いと言えます。

ワイヤレス充電器の性能に違いはある？

ワイヤレス充電器の出力は製品によって異なり、一般的には5W、7.5W、10W、15Wなどがあります。ワイヤレス充電器の出力が高いほど、充電速度が速くなります。例えば、5Wの充電器より7.5W、7.5Wより10Wの方が早く充電できます。ただし、スマートフォンがワイヤレス充電に対応していても、充電器とスマートフォンの両方が同じワット数に対応している必要があります。デバイスによって最適なワット数が異なり、例えばAirPods Proなどの完全ワイヤレスイヤホンは2W、iPhoneは7.5W、Galaxyは10Wで充電するのが一般的です。

iPhoneやアップル製品のMagSafeとの違いは？

MagSafeと一般的なワイヤレス充電の違いを説明していきます。

MagSafeは、iPhoneを充電器に置くときに磁石でピタッとくっつくので、位置合わせがとても楽です。これにより、充電器に正確に置く手間が省け、充電中に充電器とスマホがズレて充電が解除される心配が無く、充電がスムーズに行えます。

また、MagSafeはiPhone 12以降のモデルに特化していますが、他のワイヤレス充電ができる機器、つまりQi（チー）対応の機器でも使えます。これは、多くのスマートフォンやイヤホンなどで使われている一般的なワイヤレス充電の規格です。

ただし、Androidのスマートフォンの中には、MagSafeのように磁石で吸着する機能がないものもあります。これは、MagSafeがAppleの特定のモデルに特化した機能だからです。そのため、Androidユーザーは、磁石でくっつく便利さは享受できないかもしれません。

一方で、一般的なワイヤレス充電器は、さまざまなブランドやモデルのデバイスで使えます。これらの充電器は、特定の位置に置く必要がありますが、多くの異なる種類のデバイスに対応しているのが利点です。

結論として、MagSafeはiPhoneユーザーにとって使いやすく、充電も早いですが、Androidユーザーには磁石での吸着機能が使えない場合があります。一方、普通のワイヤレス充電器はもっと多くの種類のデバイスで使える汎用性があります。

充電規格のチーって何？

Qi（チー）とは、スマートフォンなどのデバイスをケーブルを使わずに充電するための国際標準規格です。

この規格はワイヤレスパワーコンソーシアム（WPC）によって策定されました。簡単に言うと、Qiは特別な充電パッドの上にスマートフォンを置くだけで充電できる技術です。

Qiの仕組みは、「非放射型」の「電磁誘導方式」を採用しています。これは、充電パッドとスマートフォンの間で電磁波を使ってエネルギーを伝える方法です。スマートフォンを充電パッドの上に置くと、パッドから発生した電磁波がスマートフォン内の受信コイルに届き、そこで電気エネルギーに変換されてバッテリーが充電されます。この方法の利点は、デバイスを物理的に接続する必要がないことです。また、Qi規格に対応した充電パッドなら、どのQi対応デバイスでも充電できます。

2019年時点で、多くのスマートフォンメーカーがこのQi規格を採用していました。これにより、さまざまなブランドのスマートフォンを同じ充電パッドで充電できるようになりました。

2023年1月には、Qiの次世代規格である「Qi2」が発表されました。Qi2は、Apple社のMagSafe規格の技術を取り入れています。MagSafeは磁石を使って充電器とデバイスを正確に位置合わせする技術です。Qi2では、この「Magnetic Power Profile」と呼ばれる技術を採用しており、充電の効率と速度が向上しています。さらに、Qi2はAndroidとiPhoneの両方に対応し、より多くのユーザーが簡単に利用できるようになりました。

このように、QiとQi2はワイヤレス充電の便利さをさらに進化させた技術であり、今後も多くのデバイスで採用されることが予想されます。

ワイヤレス充電器を選ぶポイント

ワイヤレス充電の基本: ワイヤレス充電器は、コードを使わずにスマホに電力を送る装置です。これは「電磁誘導」という原理を使っており、充電器が電力を作り出し、それが空気を通じてスマホに伝わります。スマホを充電器の上に置くだけで充電が始まります。
対応機種の確認: すべてのスマホがワイヤレス充電に対応しているわけではありません。購入前に、お使いのスマホがワイヤレス充電に対応しているか確認しましょう。iPhoneの場合、iPhone 8以降のモデルが対応しています。
充電器の種類: ワイヤレス充電器には、平置きタイプやスタンド型など様々な形状があります。平置きタイプはその名の通り、スマホを上に置くだけで充電できるシンプルな形状です。スタンド型はスマホを立てかけることができ、画面を見ながら充電することが可能です。
出力の確認: ワイヤレス充電器の「出力」は、充電の速さに影響します。出力が大きいほど、充電速度が速くなります。ただし、ワイヤレス充電はケーブルを使う充電に比べると、少し遅くなることが一般的です。
安全性について: ワイヤレス充電器は安全に設計されており、通常の使用では漏電の心配はありません。しかし、充電中のスマホが熱くなりすぎないように注意が必要です。熱はバッテリーの劣化を早める原因になります。
使用時の注意点: スマホの背面にアクセサリーを付けている場合、ワイヤレス充電が上手くいかないことがあります。スマホリングや厚めのケースがあると、充電効率が下がるため、充電時には取り外すのが良いでしょう。

これらのポイントを理解し、自分のスマホや使用状況に合ったワイヤレス充電器を選ぶことが大切です。

ワイヤレス充電できる色々な形の充電器

スマホのワイヤレス充電器には大きく分けて、

下に敷くマットの様なパッド型。
ブックスタンドの様に立てかけられるブックスタンド型。
自転車やバイクのハンドルに固定できる様なマウント型。
普通のモバッテリーに無線充電も付いたモバイルバッテリー併用型。

など4種類があります。

パッド型は、最もシンプルな形状で、誰でも簡単に使用できます。スマートフォンを充電器の上に置くだけで、充電が開始されます。ただし、スマートフォンの位置がずれると、充電がうまくいかない場合があるので、注意が必要です。
ブックスタンド型は、スマートフォンを立てかけて充電できるため、動画視聴やゲームプレイなど、スマートフォンを縦置きで使用したいときに便利です。また、スマートフォンを横向きに置いて、画面を見ながら充電することもできます。
マウント型は、車や自転車などの車載用に使用されるワイヤレス充電器です。スマートフォンを固定して充電できるため、運転中や走行中に充電したいときに便利です。また、スマートフォンの位置を自由に調整できるため、視認性や操作性を向上させることができます。
モバイルバッテリー併用型は、充電器とモバイルバッテリーが一体化したタイプのワイヤレス充電器です。スマートフォンを充電しながら、外出先でも使用できます。また、モバイルバッテリー単体として使用することもできるため、緊急時にスマートフォンを充電するためにも使用できます。